作品
きみのからだをつくるもの
一言断って抱き上げた体はひどく軽くてこの薄っぺらい体からどれだけ血が流れ出て腸が食い荒らされたのかを想像して胸糞が悪くなった。普段から白い顔はますます白く、鶴の如くを通り越して赤く染まった装束からはぽたりぽたりとしずくが落ちる。それでもなお刀身に傷はひとつもないということは、審神者の御業でこの失われた部位がまるで何事もなかったかのように甦るということを示唆していた。だがそれは欠損の痛みをも消し去るものではなく、新しい部位に馴染むまで幻肢痛に苛まれると同意でもあった。そしていつも苦悶に耐えながらも二度はごめんだというにもかかわらず彼は何度も繰り返すのだ。
#リプが来たCPごとに今思いついた書く予定なんてひとつもない小説の一シーンを書く
- 2015/05/29 (金)
- その他
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