作品
楽土より
やっと、と彼は歓喜した。凄惨な戦場で一番うつくしく光る金色をこの場では己だけが享受することを許されている。欲したのはそれだけだった。この先、たとえ目を潰され何を見ることがかなわずとも、耳を破られて何を聞くとがかなわずとも、なされたことは消えはしない。歴史でも何でもないこのささやかな出来事だってわざわざ消されもしない。何事もおこらなかったことにされるだけだ。柄を握り直した手は高揚のせいかひどく軽く少し力を入れるだけでどこまでも振り抜いてしまいそうではあったけれど、ただ目の前のましろの刀を赤く染めることを考えて口の端を歪めた。
なお目も耳も喉も無事だけど記憶を消される
死にたがりは殺してやらないし害されたいのを害してもやらないし多分この後の鶴さんは燭台切に対して死ぬほど甘くなる(一人では何もできない子供のような扱い
I love you = 白海の燭鶴『絶対に君を許さない』
http://shindanmaker.com/276356
- 2015/08/17 (月)
- その他
タグ:[燭鶴]