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神さまの育て方
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リリカル・マジカル・もっふもふ
十分創作的ななにか
「リリカル・マジカル・もっふもふ!」
楽しそうとは到底表現できないような、投げやりなディーの声が唐突に頭上からふってきて、昴は思わず背後を振り返った。大抵の奇行には慣れてきたが、これほどどうでもよさそうに行動する相手は初めてのような気がする。
「……なにをしてるんですか、あなた」
「んー? ちょっとな」
視線を向けた先では、予想にたがわず顔をしかつめらしく顰めながら、ディーが小さな紙片を睨んでいた。その手には先端に黄色い星の付いた短めのステッキがある。
「……変わらないな」
「何がですか」
たっぷり五分ほど昴を睨みつけていたディーがあきらめたように息をついた。ぶつぶつと文句を口の中で呟いたようだったが、ちゃんとした言葉としては昴までは届かない。
何をしようとしているのかまるで分からなかったが、とりあえず表情と声色が珍しいだけで、普段の行動からは特に外れていないことを確信して昴は思わず肩に入っていた力をそっと抜いた。膝上に広げていた本を畳んだのはそれでもディーの行動に興味を惹かれたからだ。渋面のディーをじっくり鑑賞しようと思ったからでは決してない。
観察されているとは気づかないまま、ディーは今度はステッキを振り上げてその場でくるりと回る。
「――リリカル・マジカル・もっふもふ!」
やけくそのような声に応えるかのように、ぽんっとコルク栓を抜くような音が響くと、部屋は瞬時に正体不明の煙に満たされた。
晴れた視界の中で目に入った光景に昴が噴出さなかったのはおそらく奇跡に近い。
「なんで……なんで俺にはきくんだ……!!」
ディーの頭にはぴんとウサギの耳が生えていた。
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